●『とある学校の校舎』

『とある学校の校舎』
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●2010.01.27イラスト1点公開



●上記のイラスト解説。
●今年最初の更新は様々なタイツスタイルは最もですが、イラストの中に描かれる人物の世界感、あるいはその人物の暮らしの中の事を少し広げてみようと考えてみました。
例えばですが、ここでは少年達の通う学校とか、そんな些細な程度から考えてみる事にしました。
もちろんながら、それ以上は深く追求はしません。

このイラストの背景を飾るのは、旧函館市立弥生小学校校舎を参考にしたものです。
(エントランス上部にある意匠のみ他の建築物からのイメージに)

なお、函館と言う街に住んでいると言う訳でもなく、そして函館にはまだ一度も脚を運んだ事はありません。

なぜやや古めかしい校舎を描いていたのは他でもなく、少し古いような今から100年前後の時代感の漂う建築物に前々から興味を抱いている訳ですが、それを絵として表現するきっかけが少なかった訳です。
数年前に少し古いような時代感を匂わせるイラストを描いた事がありますが、これと言った評価が余り無かった事が自分をその気にさせてくれなかったのかも知れません。

一部ではその事を批判めいた発言さえもあったのですから、心を痛んだことがあって、これではなかなか。



昨年末に古い建築物に興味を持つ方とコンタクトを取る事が出来ました。
その為があってか、11月の更新分ではロンドン地下鉄駅舎の絵を描く事になったのです。


函館市立旧弥生小学校校舎を描いていたのは、モダニズムを漂わせる先端的なイメージの校舎であります。

完成:昭和13年12月25日
竣工:昭和14年10月7日

時代は昭和初期の頃、日本人が西洋的な何かを憧れたとして、それに手が届くような時代でありました。
この頃は物資統制が行なわれていた時代だったそうですが、この事の詳しくは各自でお調べください。

これだけでも絵に描いてみたいと言う衝動が起こるのです。
しかしながらも今ではこの旧弥生小学校校舎は存在しません。
有りがちな回答として『老朽化』と言う理由、そして児童少数化と言う問題でもはやこの校舎に学ぶ子供達はいないのです。

話しは変わって最近、とある県にある某小学校校舎を訪れる事がありました。
この校舎も昭和初期に建てられたものです。
こちらも老朽化と言う名目で壊される事が決まりかけていたところ、住民達の声で反対運動が起こり・・・と、この後の事はご存知の方も多い事でしょうから省くのですが、運良く生き延びる事ので来たモダニズム校舎がある一方、今回のこの旧弥生小学校校舎にも反対運動があったにも関わらず止も得ずと言うケースに至ってしまいました。


(2010.01.27)




*今回の作品の御感想をお待ちしております。

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